「銀杏の臭う地面デザイン」を考察する

「銀杏の臭い地面デザイン」を考察する

台風15号の去った翌日に近くの公園まで散歩をした。公園には銀杏並木があり、秋には見事な黄金色の子葉が風に舞う。それは、あたかも天が何かを祝福しているようで、うっとりとする景色になる(何を祝福しているかは知らない)。さらには、木々は熟れたギンナンを独特の臭いと共に地面に振りまくのである。秋にあの臭いを嗅ぎながら銀杏並木を歩くと、今は亡き父と子供の私が一緒になってギンナンを拾いに行ったのを思い出す。家に持ち帰り実を取り出して火で煎ったのは父だったが、嫌な臭いではなかった。センチメンタル。しかし、今年の秋は銀杏は不良であろう。なぜなら昨晩の暴風のためまだ青いギンナンの実が無数に落ちているのだ。まだ、9月ということもあり、銀杏は青く実は硬かったが、地面の上に無残にも振り落とされていた。秋になればこの実も誰かに食してもらうことが出来たろうに。

ギンナン相場というものがあったら、品薄を見越して買っておくのが良いと思う。(個人の感想です。)

さて、地面を歩くと右を見ても左を見てもギンナンだらけ。自分がギンナン地雷区域に入ってしまったのを呪った。どうりに周りに人がいないはずだわ。行くも地獄、引くも地獄で如何にもこうにも、ギンナンの実を踏まずに地雷区域から脱出する方法は無い。意を決して青い実を踏みながら歩くと、潰れた実からは確かに臭いはするが秋の旬の物ほどは臭わない。そして感触も熟れた“グニュ”ではなくて、少し硬めで、“ズニュ”位。このスニーカー底越しでも感じる位の感覚が面白かったので「銀杏の臭い地面デザイン」を考察してみる。

★デザイン的考察★
①ギンナンの実を踏むとスニーカーを履いていても分かる“感触”がある。
②ギンナンの実を踏む事によって“臭い”が発生する。
:::結論:::
踏む事によって、感触と臭覚にうったえる実がこのデザインを生んでいる。
:::発展:::
イベントや作品展示場などで、香水のような良い香りの物質をカプセルに入れて床にばら撒く。人が踏むたびに感触と香りを発生させる。おしゃれなイベントとかで喜ばれそう。香水の新発売イベントとかも良さそう。

「壊れたビニール傘の破棄のされ方デザイン」を考察する

夜半から暴風雨をもたらした台風15号も明け方には東京を去り、青い空と湿気を土産に残して9月の残暑を思い出させた。
大雨のあがった日には街中で壊れたビニール傘をあちこちで見かける。そして礼儀正しい日本人の性であろうか、わざわざ街路樹の支柱に引っ掛けて放置されている傘があるのである。まるで路上に放置しないことで自分にモラルが備わっていることを示すサインのようだ。
★デザイン的考察★
①街路樹の支柱:細い三本の丸太から構成される支柱の上辺は視界と腕の可動範囲に入ってり、物を置くのにストレスのない高さを提供している。さらには針金で組んであるだけの簡素な作りなので、行為者の不法投棄という犯罪行為を心理的に和らげる効果があると思われる。
②傘:湾曲している持ち手はある程度の高さのヘリに引っ掛けることを説明不要の行為に導く。
:::結論:::
ビニール傘の湾曲した持ち手はヘリにかけることが容易なデザインであり、支柱の構造と合間って高いレベルで行為者の行動を自然に促す。さらには、支柱の外観が犯罪行為を心理的に緩和していることがこのデザインを生んでいる。
:::発展:::
ビニール傘の湾曲した持ち手は引っ掛ける行為を促すので、傘の収納は立てるのではなく、引っ掛ける物が自然だと思う。ストレート型の待ちてのものには湾曲した持ち手のアタッチメントをプロダクトとして製作するアイデアが考えられる。

 


近くの扉

まだ知らない世界は案外身近にあって、近くの扉を出たり入ったりすると隠された驚きが発見できるかも。もしくは知覚の扉から入って近くの扉から出てくる。管理人が独自の視点と感覚で徒然なるまま日常で見つけたモノやコトを徒然なるまま写真多めで記録します。