夜半から暴風雨をもたらした台風15号も明け方には東京を去り、青い空と湿気を土産に残して9月の残暑を思い出させた。
大雨のあがった日には街中で壊れたビニール傘をあちこちで見かける。そして礼儀正しい日本人の性であろうか、わざわざ街路樹の支柱に引っ掛けて放置されている傘があるのである。まるで路上に放置しないことで自分にモラルが備わっていることを示すサインのようだ。
★デザイン的考察★
①街路樹の支柱:細い三本の丸太から構成される支柱の上辺は視界と腕の可動範囲に入ってり、物を置くのにストレスのない高さを提供している。さらには針金で組んであるだけの簡素な作りなので、行為者の不法投棄という犯罪行為を心理的に和らげる効果があると思われる。
②傘:湾曲している持ち手はある程度の高さのヘリに引っ掛けることを説明不要の行為に導く。
:::結論:::
ビニール傘の湾曲した持ち手はヘリにかけることが容易なデザインであり、支柱の構造と合間って高いレベルで行為者の行動を自然に促す。さらには、支柱の外観が犯罪行為を心理的に緩和していることがこのデザインを生んでいる。
:::発展:::
ビニール傘の湾曲した持ち手は引っ掛ける行為を促すので、傘の収納は立てるのではなく、引っ掛ける物が自然だと思う。ストレート型の待ちてのものには湾曲した持ち手のアタッチメントをプロダクトとして製作するアイデアが考えられる。